生後3日で窒素療法開始
2016/4/26 生後0日 プロスタグランジンの点滴投与開始
私が出産後の諸々の処置を受けている間、息子は早速プロスタグランジンの点滴投与を開始し、命の綱である動脈管の開存をさせ始めました。
エコー等をし、夫が先生の話を聞いてくれました。
- 心臓の状態は胎児エコーの所見から特に変わらず。
- 内科的治療として、窒素療法、強心剤で心臓の負担を軽くすることを検討。
- 外科手術として、1週間後に両側肺動脈バンディング手術、3~4週間後にノーウッド手術の流れだが、状況によって判断。
- ノーウッドをしてからフォンタンに到達する確率は、感覚からすると7割を切る程度。
- 手術をしてからも、心臓の働きが落ちることがある為心臓を保護する薬は一生飲み続ける。血管拡張剤、Bブロッカーなど。
- ダウン症、トリソミー等の症状は外見上はないように見えるが、染色体異常は見た目だけでは分からない場合があるので、希望すれば検査可能。費用は保険適用で、赤ちゃんの負担もそれほどではない。
いざ産まれてみたら、それほど重い心疾患ではなかったという可能性をうっすら期待していました。
ですが、さすが日本トップクラスの心臓専門病院。胎児エコーの精度は高度でした。
想定外の疾患が見つからなかったことだけでも、良かったと思います。
窒素療法(N2療法)とは
空気に窒素ガスを混入させ吸入させ、肺血管を収縮させる治療のこと。
頭にカプセルのようなものをかぶせて窒素ガスを充満させ吸入させる方法と、鼻にカニューラをつけて直接吸入させる方法があり、患者の状態によって選択されます。
これにより肺への血流が減少し、サチュレーション(血中酸素飽和濃度)が下がります。
「ただでさえチアノーゼが出る心疾患なのに、サチュレーションを下げて良いのか」と思いましたが、肺への血流を減少させることにより心不全症状を改善させるのだそうです。
息子の場合、大動脈がとても細く肺動脈が相対的に太くなっているので、肺へ血液が流れすぎてしまい、結果心臓に負担がかかって心不全を起こしている状態でした。
心不全の症状として脈拍上昇・呼吸数増加等がありますが、これを抑える為窒素療法を施し、心拍90~150、サチュレーション80%台を目指し、酸素濃度は15~20%にするとのこと(空気中の酸素濃度は約21%)。
実際には、生後3日からこの治療が開始されました。
2016/4/27 生後1日 NICUへ移動
ICUに入っているので面会時間が限られており、短時間でしたが朝から息子に会うことができました。
抱っこしながら、「一緒に頑張っていこうね。」と話しかけました。
サチュレーションはまだ思ったほど低くなく90%前半で、本当に重い心疾患児なんだろうか、と不思議に思ってしまいました。
その後昼にはNICUに移り、長い時間の面会ができるようになりました。
- ミルク10ml/回 (3時間毎の授乳で、1日8回)
- 哺乳瓶で口から飲ませ、飲めない分は鼻からのチューブで注入
- 心拍130台、サチュレーション90%台
2016/4/28 生後2日 ミルクの量を少しずつ増やす
- ミルク20ml/回
- 心拍140台、サチュレーション90%台
- 体重は3キロ弱くらい。水分制限をするので、退院時も恐らく同じくらいの体重だろう。ある程度月齢がいくと他の子に追いつく。
2016/4/29 生後3日 祖母と初面会、窒素療法開始
- 鼻にカニューラをつけ、窒素療法開始。違和感があるようでかなり嫌がっている。
- ミルク30ml/回
- 心拍150台、サチュレーション80~90%台
- 朝38℃の熱があったそうで、少し下がったが呼吸が苦しそう
2016/4/30 生後4日 熱が少し下がる
- 熱が37℃後半に下がった
- 鼻への窒素は、カニューラの管を少し短く切ったことで嫌がらなくなった
- 心拍140~150台、サチュレーション80~90%台
- 直母の練習をするも上手くいかず
これから手術などを受けてなかなか口で飲む機会もないだろうから、ということで直母の練習をしてみましょう、ということになりました。
結果は全く上手くいかず。すぐに泣いてしまったので中止となりました。
しかし、あの光景は何とも言えない母性が湧きますね。前述の通り退院後は完全ミルク育児となったので、貴重な体験でした。
日に日に心拍が多くなっていき、初めに150程度までに抑えたいと言われていたので、大丈夫なのかなぁと心配になっていました。
しかし我が子はとても可愛くて、まだまだ寝ている時間が多い時期でしたが傷の痛みに耐えながらしょっちゅう病室からNICUへ会いに行っていました。